フランスワールドカップ後のインタビューバティともロペスとも(ともにアルゼンチン)、そうスーケル(クロアチア)ともですね、今回対戦したFWとはついに一度も目が合わなかったんです。見えないん ですよ、彼らの目線が。Jリーグやほかのこれまでの国際試合ですとね、絶対に シュートの前にはFWと目が合う。彼らがどこを見てるかって、情報が確認できる んです。 ところがアルゼンチン戦で彼らがシュートモーションに入っても、目線が見えない。 GKを全然見ていないんです。どういうことかと言うと、ほんの、もうこれくらい、 こんな1センチ四方の視野だけでシュートを打ってくるんですよ。頭も、目線も 下げたまま、記憶とこれまでのキャリアから、コースを読んでいる。僕の動きを 改めて見てしまうと、こっちに情報を与えることにもなりますからね。 これはGKにとってものすごく怖いことなんですね。彼らがどこを見ているのか、 どこを狙っているのかまったく分からない、予想ができない。要するに、自分達が 不利になるような情報を一切GKに与えないということなんですね。これには 驚きました。ほら、かくれんどじゃありませんが、向こうには見えてて、こっちは 見えないって、一番怖いことでしょう。 |